製紙産業におけるカルボキシメチルセルロースナトリウムの応用

製紙産業におけるカルボキシメチルセルロースナトリウムの応用

カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)は、水溶性ポリマーとしてのユニークな特性により、製紙業界で様々な用途に使用されています。製紙業界におけるCMCの一般的な用途は以下のとおりです。

  1. 表面のサイズ:
    • CMCは製紙において表面サイズ剤として使用され、紙の表面強度、平滑性、印刷適性を向上させます。紙の表面に薄い膜を形成し、表面の多孔性を低減し、印刷時のインクの保持性を向上させます。
  2. 内部サイズ:
    • CMCは、紙パルプに内添サイズ剤として添加することで、紙の耐液体浸透性を向上させ、撥水性を高めることができます。これにより、インクの滲みを防ぎ、印刷された画像や文字の品質が向上します。
  3. 保持および排水補助剤:
    • CMCは製紙工程において歩留まり向上剤および濾水促進剤として機能し、製紙パルプ中の微粒子や填料の歩留まりを向上させ、抄紙機における濾水効率を高めます。これにより、紙の地合が向上し、紙切れが減少し、抄紙機の生産性が向上します。
  4. コーティングレオロジーの制御:
    • コート紙の製造において、CMCは粘度と流動性を制御するためのコーティング配合におけるレオロジー改質剤として使用されます。均一なコーティング膜厚の維持、コーティング被覆率の向上、光沢や平滑性といったコート紙の表面特性の向上に役立ちます。
  5. 筋力強化:
    • CMCは製紙パルプに添加することで、紙製品の引張強度、引裂強度、耐久性を向上させることができます。バインダーとして作用し、繊維を強化し、紙の地合を高めることで、紙の品質と性能を向上させます。
  6. 紙の特性の制御:
    • 製紙用配合物に使用される CMC の種類と濃度を調整することにより、製紙会社は、明るさ、不透明度、剛性、表面の滑らかさなど、特定の要件を満たすように紙の特性をカスタマイズできます。
  7. フォーメーションの改善:
    • CMCは繊維の結合を促進し、ピンホール、斑点、筋などの欠陥の発生を低減することで、紙の地合を改善します。これにより、紙の見た目と印刷適性が向上し、より均一で安定した紙が得られます。
  8. 機能性添加剤:
    • CMC は、耐湿性、帯電防止性、制御放出特性などの特定の特性を与える機能添加剤として特殊紙や板紙製品に添加できます。

カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)は、表面強度、印刷適性、耐水性、地合など、望ましい特性を備えた高品質の紙の製造に貢献することで、製紙業界において重要な役割を果たしています。その汎用性と有効性により、パルプ製造からコーティング、仕上げに至るまで、製紙プロセスの様々な段階で貴重な添加剤として活用されています。

 


投稿日時: 2024年2月11日